その7:産褥期〜出産後
何とか無事に出産を終え、退院する今後の生活に関する
様々なアドバイスと注意点を説明されました。
橋本病と診断を受けた場合の妊娠は、胎児がお腹にいる時よりも
出産後のほうが甲状腺機能低下の症状が出やすいとのことでした。
何故だろうと不思議に思いました。
胎児といういわば「異物」が入ってきたことに対してつわりが起こったり
身体が過剰に反応するのであれば妊娠中のほうが
橋本病の自己免疫反応も強いのではないかな、と単純に思ったのです。
けれど妊娠をすると、母体は胎児が免疫反応によって
攻撃されることがないように免疫反応を抑え込む働きをするそうです。
この母体の働きによって、橋本病の自己免疫反応も抑制されて
様々な症状が落ち着いているという話しを聞き
自分の中で起こった妊娠中の様々な変化に驚くばかりでした。
ところが、そんなに頑張っていた母体も出産を終えると
免疫反応を抑制する力を失い逆に反動で甲状腺の炎症が強くなってしまうんです。
そうなると、甲状腺は以前にも増して攻撃をうける状態となり
結果として甲状腺ホルモンを作りだす機能が低下するので
チラージンを服用する前の様々な症状が起こり得る状態になるのだそうです。
この状態は、いわゆる「育児ノイローゼ」と呼ばれる症状に似ていて
病気の知識のない周囲の方から誤解され誤った
アドバイスを頂く可能性が危惧される点なんです。
私は、妊娠前から検査を定期的に行なって橋本病を管理して頂いていますが
出産を終えた女性は甲状腺の機能に異常が起こるケースが決して少なくないそうです。
どうぞ、今は甲状腺の異常が見つかっていない方も妊娠を機に
ご自分の体調と向かい合って心配があれば専門の先生に相談した方が良いと思います。
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