バセドウ病の生活上の注意点
バセドウ病の症状をやわらげるために、下記のようなことに注意が必要です。
- 規則正しい生活をする。
- 運動は控えめにする。
- 食事はアルコール、刺激物を控えバランスよく摂る。
- 禁煙をする。
- 手術や抜歯などは控える。
- 精神的なストレスを避ける。
規則正しい生活をする
バセドウ病の人は、「元気のもと」にあたる甲状腺ホルモンが
過剰に分泌されるため、活発に活動しすぎてしまう傾向があります。
そのため、夜遅くまで起きていて朝起きられない、夜型の生活になりやすいものです。
生活リズムが乱れると、精神的にも不安定にありがちで、
バセドウ病の症状であるイライラ感などがさらに強くなる場合があります。
運動は控えめにする
甲状腺ホルモンは心臓の働きを活発にします。
そのため、バセドウ病の人は脈拍数が速く、安静時でも
運動しているくらいのエネルギーを消費している状態です。
治療により甲状腺の機能が正常化してくるまでは、激しい運動は控えるようにしましょう。
食事はアルコール、刺激物を控えバランスよく摂る
バセドウ病の人は代謝が高まり、エネルギーがどんどん消費されますので、
食欲はあってたくさん食べてお体重が減りがちです。
しかし、まれに消費するエネルギー量以上に食欲が増し、食べすぎて太ってしまう人もいます。
活動量なども考慮し、適度な摂取カロリーとなるよう気をつけましょう。
とくに食べてはいけないものはありませんが、アルコールや辛いものを
摂りすぎると、動悸が激しくなる場合があるので、注意が必要です。
ヨードの摂取量については、欧米では摂りすぎないほうが
治療の効果が出やすいという報告があります。
しかし、日本人では欧米人に比べ食事から摂るヨードの量が多いことがわかっており、
日本人に関してはヨードの摂取量と、治療効果は関係ないと言われています。
そのため、ヨードの摂取量には神経質になる必要はありません。
ただし、週に何回も週に何回も昆布を食べるなどは避けましょう。
禁煙をする
禁煙によりバセドウ病や甲状腺眼症を発症する危険性が高まることがわかっています。
また、薬による治療効果が出るのに時間がかかること、再発率も高いことも報告されています。
手術や抜歯などの治療は控える
手術や抜歯など、ストレスのかかることがあると、
甲状腺機能が高まって危険な状態となる「甲状腺クリーゼ」となるおそれがあります。
精神的なストレスは避ける
バセドウ病の詳しいメカニズムには、まだ解明されていないことも多いですが、
精神的なストレスを受けた時に発症しやすいことがわかっています。
発症後も精神的なストレスが強いと、治療の効果が出にくく、緩解しても再発しやすい傾向もあります。