バセドウ病の手術治療
手術療法では甲状腺の一部を切り取ります。治療効果が高く、欠点が少ないのが特徴です。
- メリット:再発率が少なく、甲状腺機能の回復が早く高い治療効果が得られる。
- デメリット:入院が必要であり、首の根本に手術の傷跡が残る。
バセドウ病の手術は、甲状腺の大部分を切り取り小さくすることで、
甲状腺ホルモンを作り過ぎないようにする治療法です。
放射性ヨード(アイソトープ)治療よりも昔から実施されている治療法で、
他の2つの方法よりも、高い治療効果が得られることが分かっています。
バセドウ病の状態により、切除する甲状腺の範囲は変わってきます。
抗甲状腺薬を内服す必要がないように、近年では甲状腺をすべて摘出する手術をします。
手術のためには2週間程度の入院が必要となります。
手術のために首の付け根に傷が残りますが、手術の技術が向上したため、
ケロイド体質でなければ、数年後には傷はほとんどわからないようになります。
術後に再発する可能性はとても低いですが、それでも約10%の人が再発します。
再発した場合2回目の手術はリスクが高いため、放射性ヨード(アイソトープ)治療が用いられます。
手術が適している人
- 甲状腺が大きく腫れている人
- 妊婦。または数年以内に妊娠を希望している人
- 薬の副作用が強く出ている人
- 長期の治療が困難な人
- 甲状腺がんなどの合併症がある人
手術までの大まかな流れ
甲状腺の機能が亢進したまま手術実施してしまうと症状が急激に悪化することがあるため、
手術前に甲状腺機能が正常になるように、薬やヨード剤でコントロールを行います。
手術当日は朝から絶食となり、術後は飲食禁止です。
手術は全身麻酔で行います。時間は1〜2時間程度で終わります。
翌日から食事が開始されます。トイレなどにも歩いて行くことができます。
個人差がありますが、順調にいけば2週間以内で退院となります。
手術の合併症
手術による主な合併症は2つあります。
1:嗄声
甲状腺のすぐ裏に反回神経があり、この神経は声を出す時に正門を開閉する筋肉に指令を出す神経です。
甲状腺を摘出する時に、この神経を傷つけてしまうことで、声がかすれたようになることがあります
2:テタニー症
甲状腺の近くには副甲状腺があります。この副甲状腺を傷つけてしまうと
血液中のカルシウムの量を調整するホルモンが分泌されず、
筋肉のけいれんや手指や足にこわばりを感じる症状が現れます
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